個人PCのデータのバックアップに最適なデバイスってなんだろう





普段PCを利用されている方は日々の作業の中で溜まっていくデータをどのようなデバイスにバックアップすればよいか悩まれることと思います。ここでは幾つかの選択肢の中から個人でPCを使用する中で最適な方法は何かコスト面も考慮しつつ幾つかのプランから検討してみたいと思います。



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DVD-R

まっさきに思いつくのはこのDVD-Rだと思います。容量は4.7GBと十分でなおかつDVD-Rを書き込むことができるドライブやメディアも非常に価格がこなれており安価です。書き込み速度も十分に速く一見すると申し分ありません。ただこと書き込んだデータの信頼性という観点から少々不安が残ります。

以前はPlextor(現在は製造終了)のドライブを使い使用するメディアも太陽誘電(現在は撤退)、三菱化学、Maxell等手堅いメーカー製メディアを使用しそれこそ1000枚以上DVD-Rで焼いたものですが、現在はまったく使用していません。理由はDVD-Rで焼いたデータを1年後や数年後などに再度PCにデータを移行しようとした場合にエラーが出てそもそもコピー自体ができないメディアが散見され、動画に関してはDVD-Videoなどはまったく読めないわけではないものの、途中でエラーも出ずに再生がとまってしまう。(延々と読み込み中になる、その後は早送りも巻き戻しもできず応答なし)。ブロックノイズが動画の一部で出る。焼いたメディアの一部領域に問題が出ているようですが、このようなメディアからはPCに対してデータのコピーすらできず、お手上げです。

これらは焼いた後にベリファイを行い問題ないことを確認し、念のために焼いたメディアからPCのHDDにコピーをして正常に完了することを確認しています。

このDVD-Rで難しいのが国産メーカーのメディアであっても製造は台湾であるとか海外で行われているものが少なくありませんが、製造が海外の場合だと製品自体の品質のムラが目立ちあるロットは非常によいのに駄目なロットはとことん駄目という感じです。国内工場と異なり海外で製造された場合、製品の品質を一定に保つというのは案外難しいようです。DVD-Rは価格競争の煽りを受け低価格化が著しいですが、人件費の嵩む国内工場で製造販売しても他の製品よりも割高な物は品質が良くても品質を重視するユーザーは一握り、大半は価格でしか見ないため太陽誘電も撤退の憂き目にあい淘汰されたものと思いますが、悲しいところです。

後、基本的な部分ですが、一度だけ書き込みが可能なDVD-Rは色素変化によってデータ記録しますがDVD-Rの場合、記録層には「シアニン/フタロシアニン/アゾ」という有機色素が使われます。ドライブ側はメディアの有機色素に合わせてレーザーの出力を調整、色素を化学変化させます。 部屋で保管する場合に直射日光を避け冷暗所にて適度な湿度管理の下で保管をすればそれこそ、10年から100年持つという触れ込みです。前述した3つの有機色素の中でも長期間における保存性にすぐれており、書き込みの信頼性もより高いと言われているのが「アゾ色素」と呼ばれる色素です。アゾ色素は、耐光性が非常に強く、退色の少ない色素として知られています。

以前DVDーRで焼いていた際にもこの長期保存に適しているといわれるアゾ色素を使用しているメディアを選択して焼いていたわけですが、結果は前述したとおり、焼いた後ベリファイを行いメディアからPCへデータのコピーができることを確認したにもかかわらず1年後とか数年後にメディアからPCのHDDにデータのコピーが正常に完了できないケースが散見しています。

逆の言い方をすれば、長いもので8年前ですが、焼いたDVD-Rでも大半のものは問題ないけど、少なくない数のメディアが正常に読めない、HDDに対するデータのコピーができないという感じです。少なくないといってもその数は全体の1割近い数です。動画とかであれば認識しないとか部分的にエラー訂正が追いつかない部分が出るメディアがあっても、まあしょうがないかという感じになりますが、このデータだけはどうしても取っておきたい。失うわけにはいかないというデータの保存先としてはDVD-Rは不適当というしかないです。

使い勝手は非常に良いDVD-Rですが、確実なデータの長期保管先としての信頼性は微妙というしかないです。



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HDD


一昔前に比べれば信頼性も向上していると思われますが、どうでしょうか。HDDはスピンドルモーター等のモーター、磁気ヘッド、プラッター、HDDコントローラなどの基盤といったパーツで構成されていますが、SSD等と異なり物理的に駆動するパーツを組み合わせて構成されている関係上、使用する時間が長くなればそれらのパーツが経年劣化していき、いつかは寿命が来るわけですが、肝心なのはその寿命がいつくるのかというのが不明瞭である点です。

個人でPCを使用する場合において室温を熱すぎず寒すぎない適温に調整しPCケースに冷却ファンを適切に設置してHDDを冷やしHDDの熱対策に神経をとがらせたとしても、それこそ寿命がくるときは1年でいくし問題なければ5年とか普通に使えたりします。

HDDの健康診断を行うS.M.A.R.T.対応ツールCrystalDiskInfoのようなアプリでHDDの状態を確認することができ、S.M.A.R.T.を用いてHDDなどの状態を定期的にチェックすることで故障や障害の前兆を早期発見したり予測することがある程度できるので、定期的にチェックしてエラーの値が許容値を超えた段階で早めにHDDを交換すれば問題ないという気もします。ただ、定期的なチェックを怠ってしまい気がついたらHDDがご臨終ということも起こりえるため、少々運用には注意が必要です。

HDDは起動時に最も負荷がかかるようですが、PCを使うときに起動して、作業が終わったら電源を落とす。一見すると当たり前の使い方ですが、会社であれば一日の始まりに電源を入れ、一日の終わりに電源を落とす。と電源の投入と電源を落とす作業は一日のうちに一回程度だと思います。自宅のPCの場合に作業が終わったら電源を落とす。作業を再開するときに電源を入れるような使い方をする。一日のうちに複数回電源をオン/オフをするのはHDDの負荷を地味に高めるといえそうです。

なんでもHDDの寿命に最も影響を与えるのはHDDの温度を空調で適切に保った場合ですが電源を入れる、電源を落とすという行為。電源の投入回数がもっとも重要なファクターだそうです。HDDの寿命を意識するなら一日の作業の始めに電源をいれ、作業が終わってもPCは省電力モードでつけたまま、一日の終わりにスリープに移行して終了。これが無難だと思います。電気代は地味に上がりますけど。

これらのHDDの診断ツールを使用しないで運用した場合はそれこそHDDはいつお亡くなりになっても不思議ではないのでHDDに重要なデータを入れっぱなしにしておくということは、やはり怖いですね。怖すぎてそのような運用はできません。HDDをRAIDを構築せずに単体でデータのバックアップ先として運用するのは怖すぎますね。これは論外です。



NAS もしくはファイルサーバーの導入



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NASはネットワークアタッチトストレージ (Network Attached Storage)の略称ですが、コンピュータネットワークに直接接続して使用するファイルサーバでありTCP/IPネットワークに直接接続して使用する補助記憶装置です。コントローラとハードディスクから成るファイルサービス専用コンピュータとでも呼べばよいのでしょうか。

このNASはファイルサーバーのようにPCを一台別に用意してOSをインストール、ネットワークの設定を行うことなく楽に導入することができ、なおかつ価格もHDDが一台のモデルであれば2万を下回っており価格がこなれてきたことから個人でのPC利用でも割と普及が進んでいるようです。サブPCをファイルサーバーとして利用して使うという選択肢もありだとは思いますが、圧倒的にNASのほうが導入は楽だと思います。なによりファイルサーバーと異なりサイズも小さく置く場所を選ばびません。

ただ、安いNASだとHDDが1台モデルとか2台が大半ですが、RAIDコントローラーを内蔵していないタイプだと正直データのバックアップ先のデータの信頼性という意味だと普通にPCでHDDに入れて運用することと大差ないと思います。壊れるときはNASに搭載しているHDDでも同様に壊れますので。

NASを導入しRAIDコントローラーを内蔵しているモデルを導入、RAID環境を構築した場合はどうなんでしょうね。ここでいうRAIDは個人で導入するに当たり導入コストと信頼性のバランスの取れたRAID5Dで考えて見ます。


以下RAID5の概要

データはRAID0同様に分割して書き込まれるのに加え、同時に「パリティ」と呼ばれる冗長コードが生成されて書き込まれるのが特徴。
これにより、構成HDDのうち1台に障害が発生しても、残りのデータとパリティを元に欠損したデータを算出、完全な状態のデータを生成することができます。また、RAID4ではこのパリティが特定の一つのHDDに書き込まれるのに対し、RAID5ではパリティを各ドライブに分散して書き込みます。その為、特定のパリティドライブに対する負荷が減る為、高速化が図れます。
(例えば3台構成のRAID5アレイでどのHDDに障害が発生しても、残りの2台構成の状態でシステムとしては稼働可能。欠損したデータは毎回演算によって算出される為、速度は低下する。)
ただし、構成HDDのうち2台以上に障害が発生した場合には動作不能となり、データの再生・回復も不可能となります。


RAID5のメリットとしては構成しているHDDの1台が壊れた状態でも稼働が可能。破損ドライブを交換しリビルドを行うことでシステムを正常な状態に回復できる。デメリットとしては2台以上のドライブに障害が発生した際には回復不可能となる。1台故障時にトラブルに気づかない例が多く、致命的な障害が起きやすい。最低3台のHDDが必要な為、導入コストが若干高くなる。

NASのRAID5モデルは個人向けのものなら4万弱の価格帯からあるようですが、価格的にもこなれており選択肢としては十分にありです。ただ積んでいるHDDの状態には常に目を光らせていなければならず気がついたら3台のHDDが故障したらその時点でデータの回復は望めません。個人でNASのRAID5を導入した場合は使用者であると同時にシステム管理者として自分でHDDの状態を逐一把握するメンテナンスを適切にする必要があります。ただこのあたりはNASのRAIDモデルを導入をされる方なら特に問題はないと思います。

HDDはそれこそいつ寿命がくるかわかりませんが、HDDを複数台組み仮にRAID5環境を構築した場合、HDD4台構成なら2台までなら同時に壊れてもHDDを入れ替えれば復旧可能でデータの冗長性を高めることができいつ寿命がくるのか予測することが難しいHDDの一番の弱点を補うことができますので、個人でPCデータのバックアップを行う際にデータのバックアップの信頼性を限りなく高めるということだと個人でできうるコストと信頼性のバランスの取れたもっとも無難な選択肢といえそうです。HDDの壊れる頻度によっては結構なコストがかかりそうですけどね。

ただ東日本大震災のときに計画停電が一部地域で行われましたが、唐突に停電しHDDの電源を落としたというか落とされたことでこのようなRAID環境でもHDDが軒並みご臨終されたという報告が散見されますので無停電電源装置「UPS」の導入して安全にHDDの電源を落とすことができるようにすることは必須というところでしょうか。金かかってしょうがないな・・・ここまで個人で環境を構築するなら一層のこと企業で使用している磁気テープであるDATを導入したほうが確実な気がしないでもないですね。





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DVD-RAM


個人的にですが、個人でPCのバックアップ先として比較的に信頼が置けてなおかつコストがかからないのは圧倒的にDVD-RAMだと思います。まずDVD-RAMは片面4.7GB、両面では9.4Gになるため片面の容量的にはDVD-Rと変わりません。このDVD-RAMですが、DVD規格の一つですが、記録密度・ランダムアクセス性向上のために通常のDVDとは異なるアドレス方式やトラッキング方式をとっており対応したドライブでしか読み書きができない点が上げられDVD-RなどがDVDドライブで普通に読めることに比べると汎用性では劣ります。

ただDVD±RWの1000回を上回る10万回以上の書き換えが可能であり、不良セクタの代替機構、そして書き込み時には自動的にベリファイ(正しく書き込まれたか読み込みをして検証する)が行われ書換型メディアとして高い信頼性を持っています。

光磁気ディスクとして普及していたMOが個人レベルでのデータのバックアップをする際にデータの信頼性は高いとは思うんですが、MOを扱っていたメーカーも軒並み撤退しており中古でしか入手はできませんので、今からMODを導入するというのは選択肢にいれずらいです。

MOは光(熱)と磁気の2現象を用いて記録を行い、DVD-RAMは熱の1現象のみで記録を行うためDVD-RAMは光磁気ディスクというわけではないようですし、ランダムアクセスに強く作られていないDVDドライブを流用しているため代価セクタ処理するとヘッ
ド移動モーターを酷使する事になり耐久性の面や読み書き速度が著しく低下することからドライブの負担が大きくなるといったこともあるようですが、現状MOを選択肢からはずした場合にはDVD-RAMくらいしかコスト面から選択肢がなさそうです。

DVD-Rでは「シアニン/フタロシアニン/アゾ」という有機色素を使用しておりドライブ側はメディアの有機色素に合わせてレーザーの出力を調整、色素を化学変化させるということは前述しましたが、やはりこの方式だと環境に起因する要因による保存性に劣るのは否めませんし、工場でプレス整形されたポリカーボネート樹脂製の市販のDVDに比べると大きく見劣りします。比較するのもかわいそうですが。

その点DVD-RAMはDVD-Rのように有機色素を使用してレーザーで色素の化学変化をしているわけではないので、耐候性を気にする必要もさほどなく、そのあたりはDVD-Rに比べれば格段に有利というか無視できます。DVD-RAMが不利なのはメディアの読み込み速度も書き込み速度も数ある媒体に比べると遅いという点でしょうか。ただDVD-RAMは発売当初の規格のバージョン1.0は1倍速でしたが、この初期のDVD-RAMはたしかに書き込み速度は相当に遅かったです。ただバージョン2.2では最大16倍速に達するため、これくらいであれば十分だと思います。

書き込めるドライブもDVD-RやBD-R全盛でDVD-RAMは影が薄いですが、DVD-RAMに対応しているマルチドライブであれば読み書き込みもできるので、当面はDVD-RAMも存続すると思われるため当面はバックアップ用のデバイスとして存続することもできそうです。DVD-RAMは発売当初に使っていましたが、DVD-Rのようなトラブルとは無縁でした。書き込み速度は遅いですが、肝心のデータの信頼性は比較にならないほど高いです。

NASのRAID5環境の構築とUPSの導入は今後の課題ですが、そこまでコストも手間もかけたくない場合はDVD-RAMがコストと手間を考慮すればお手軽かつ信頼性が比較的に高いので個人的にはお勧めです。後はGoogleなどのクラウドのオンラインストレージを利用すれば十分かなと思います。Googleクラウドなら無料でも15GBまで使えますので。ただクラウドはお手軽ですし転送速度もネット環境次第では十分に速いんですが当然データの保障はありません。メンテナンスをミスってデータが消えることなどよくある話です。いつぞやのYahooメールで大量のアカウントがメールデータを喪失したのは記憶に新しいですが、そこだけにデータのバックアップをするというのは怖いですね。ただYahooは論外として個人が自宅でRAID5環境を導入してまともなメンテナンスをせずに運用するくらいならGoogleクラウドを利用したほうがはるかにマシな気がします。


個人レベルのPCデータのバックアップはコスト面を考えるとMOのような光磁気ディスク以外だと信頼性はどれも乏しいというしかありませんが、HDDならメインPCのHDDなりSSDと別に外付けHDDなり物理的にHDDを1台増設してバックアップする。合わせてDVD-RAMにもバックアップする。ついでにDVD-Rにもバックアップするなど、様々なデバイスに分散しバックアップデータを保管してリスクを最小限に抑える。

これが個人で行う場合にはコストもかからないし無難なのかなと思います。NASのRAID環境を構築までしなくても個人的にはDVD-RAMとクラウドで十分だとは思います。このDVD-RAMも使用ユーザーが少ないと思われDVD-RAMの生みの親であるパナソニックもドライブの生産からは撤退しているようですし、そのうちなくなりそうですけどね。

MOのような光磁気ディスクは個人レベルのPCデータのバックアップ先としては最も信頼が置けるので、書き込み速度や読み込み速度が遅いとか容量が微妙とかどうでもよいので、もう少し普及してほしいんですけどね。





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