クロスボウでの狩猟の是非

前回書いていた記事が長くなったので、新しく記事にしようと思います。クロスボウで狩猟が、現行法律でできないのは分かりました。ただ実際のところどうなの?市販されているクロスボウって狩猟で使えるレベルなの?と素朴な疑問がわいたので素人なりにちょっと考察してみたいと思います。




まず最初にクロスボウの威力について確認したいと思いますが、この辺りの前置きが不要な方は、考察のところまで流し読み願います。

クロスボウ図鑑で、クロスボウのドローウェイトごとのジュールの早見表を確認してクロスボウの威力、運動エネルギーがどの程度のものなのか確認してみます。おおよそですが150ポンドで52J。175ポンドだと118Jとなっており、その差2倍弱、運動エネルギーの差がすごいです。矢の秒速(m/s)が150ポンドで65m/s。175ポンドで90m/s。ドローウェイト25ポンドの差でここまで違いが出るとは正直驚きです。管理人が所有して手元にあるクロスボウを、クロスボウ図鑑に記載されていた計算式にちょっと当てはめてみます。計算式:速度×速度×矢の重量÷2000、手元のコンパウンド280FPS。 1FPSあたり0.3048 m/s、コンパウンドクロスボウ280FPSで85.344(m/s)。85.344×85.344×30g(20インチアルミ製)/2000=おおよそ109J・・・
クロスボウ図鑑の早見表よりパワー出てます。175ポンドに迫る数値です。
おそらく手元の矢の質量が30gと割と重いので早見表の値より高めに出ていると思われます。
矢の重量を20gと仮定すると72.835Jほどになります。

念のためリカーブ210FPSで計算してみますが、64.008×64.008×30/2000=おおよそ64.455J、早見表より若干高いですが矢の重量がおそらく異なるのでしょうから誤差の範囲内だと思われます。
実際ここまで数値通りには出ていないとは思いますがスペック上100J超えとはちょっとびっくりです。
この威力は紛れも無い凶器といえそうです。

たまにクロスボウのものと思われる矢の刺さった鴨とかニュース等で話題になりますが、あれって矢の短さからピストルタイプだと思いますが、80ポンドで12J程度のようなので、ざっと9倍弱の威力。175ポンドだと実際350FPS超えるんで10倍は楽に越えます。
世間一般の認識がクロスボウなんて半矢で鴨も殺せないレベルだと思われてるうちが花かもしれません。
矢が鴨程度で貫通していませんので。ですが実際は200ドル以下のコンパウンドクロスボウのエントリーモデルでも、280FPSで使用する矢によっては100J超えですので、ブロードヘッド使えば半矢ではすまないんでしょうけど、通常の矢尻では容易に貫通すると思われます。
道具を持てば使用したくなるのが人の心というもの。管理人も外で撃ちたくてむずむずしてますから矢鴨してしまう気持ちも分からなくはないですが、そこをぐっとこらえるのが大人というもの。フルサイズのクロスボウを所有している人のモラルが高いと思いたいです。

話は戻りますが、コンパウンドクロスボウの威力が十分に高いことはよく分かりましたが、狩猟に使用できるレベルということで言えば、どうでしょうか?175ポンド越えたあたりなのでしょうか?鹿とかアメリカクロクマが狙えるのが、320FPSあたりからとか聞いた事あります。

penetrator.png

写真は175ポンドで350FPSのpenetratorというクロスボウですが、以下の動画は実際にこのBarnett Penetratorを使用した鹿猟の動画です。175ポンドクラスなら十分に鹿もターゲットにできるようですが、鹿は繊細な動物らしく物音や人間の気配に敏感なようで完全迷彩装備です。



弓での狩猟解禁されないかなあ・・・鹿撃ちとは言いませんが、鳥とかウサギくらいクロスボウでの狩猟を認めてくれると、クロスボウも立派な趣味にできるんですけどね。野山を散策しつつ狩りを楽しむ、楽しそうですね。クロスボウが駄目ならコンパウンドボウだけでも・・・


考察

さてここからが本題ですが、なんでも弓矢で狩猟できない理由として半矢、一撃で獲物を絶命させる事ができないことがあげられるとのことですが、以下、半矢の定義です(wikiより)。

狩猟において、鳥獣に散弾銃などの弾が命中するも致死状態になっていない状態。ただし、致命傷になっている場合も多く、狩猟者から逃げられたとしても、苦しみながら死に至ることもあり、動物愛護の視点から問題とされることもある。ヒグマなどの大型鳥獣の場合、手負いの状態となり、無関係の人に被害を及ぼす可能性があることから、確実にとどめを刺すか、死亡を確認する必要がある。

なるほど。たしかにヒグマ等の凶暴な獣が半矢で手負いになったと考えると、凶暴性が増すため確実に息の根をとめる必要があり妥当だとは思いますけど。そもそもクロスボウでヒグマをハンティングしようと普通の人は考えませんけどね。有効射程距離30mから50m程度でヒグマと対峙するとか怖すぎます。

では、危険性のない獣はどうでしょうか?以下の動画はバーネットのコンパウンドクロスボウで実際に豚をハンティングしているのですが、豚の悲鳴が生々しいです。これ見るとたしかに動物愛護的にどうなの?と感じられる方も出てくるとは思います。
目標までの距離は近いですが確実に動きを止める事はできています。というより痛みで悶絶している・・・
人間がクロスボウの一撃を受けたら痛みで悶絶して身動き取れないと思われますので。
多分痛すぎて声もでないかと・・・この豚のリアクションは非常にリアルというか生々しいです。撃たれた瞬間全身が硬直してますので・・・
使用されているクロスボウはBarnett Jackal Crossbowというものでスペックは150ポンドの315FPS。ブロードヘッド装着済みです。

Barnett Jackal Crossbow



175ポンド以上のものを使用していると思ったので意外でしたが、これを見る限り豚ならドローウェイト150ポンドでもブロードヘッドを使用して、300FPS超えなら十分使えることが分かります。見た感じプラスティックの質感がおもちゃのように感じますが、威力はえげつないようです。
動物愛護的に必要以上に痛みを与えてはいけないというのは、分かりますが、ただ、管理人的には狩猟ってそもそもこんなもんじゃね?と考えているので許容範囲だと思います。

もうひとつ例をあげます。
昔の記事ですけどカナダで17歳の女の子がクマをしとめたとかで割と話題になって記事になっていましたが、記事によるとコンパウンドボウで体重448ポンド(約203キロ)のクマを仕留めたとか。コンパウンドボウのポンド数が確認できなかったので弓の威力の詳細不明です。推測ですが17歳の女の子が引けるクラスですから、どうなんでしょう?強くても65ポンド程度でしょうか?

4499bad8.jpg

写真はクマを仕留めた米ミシガン州の高校生、ジェシカ・オルムステッドさん(17)さんだそうです。うーむ。お見事。
ジェシカ・オルムステッドさんの笑顔と熊の組み合わせがなんともいえませんが、熊を討ち取って非常に嬉しそうなのがよく伝わってきます。アメリカクロクマというのは熊の中ではかなり軽量な部類と聞きますが、写真を見る限り十分大きく感じます。

動画をもうひとつ、11歳の女の子が鹿猟に成功したものです。



それにしても良い笑顔です。鹿を討ち取ってご満悦といったところですね。海外では11歳の女の子がクロスボウで鹿猟して楽しんでいるというのに日本という国は・・・もうやだこの国。(´;ω;`)ブワッ規制だらけで嫌になります。

最後にTenpointによる熊の狙撃動画ですが、詳細にクロスボウの説明がないのですがおそらく185ポンドと思われます。
ご丁寧に狙撃ポイントに餌をまいておいて熊をおびきよせておいて、木の上から狙撃するという念の入用。
欧米人らしく非常に合理的です。しかし、あっちこっちに熊がいるとは恐ろしい場所だ。



撃たれた瞬間、熊は逃走しますがすぐに力尽きます。このでかい熊、ヒグマ?の分厚そうな皮下脂肪をぶちやぶって確実にダメージを与えるとは、恐るべしTenpointクロスボウ・・・さすがに高いだけあるわ。

さて、コンパウンドボウやクロスボウを使用した狩猟は海外ではスポーツもかねて人気もあるようで、動画を探せば幾らでも出てくるのですが、それらを見る限り半矢の問題を考慮しなければ、コンパウンドクロスボウもしくはコンパウンドボウは威力だけで言えば十分に使えるレベルにあることは分かりました。
豚がターゲットならブロードヘッド使えば300FPS、鹿なら320FPS、ヒグマクラスでも400FPSといったところでしょうか。
そもそも海外では半矢という概念はあるんでしょうか?矢を食らっておもいっきり逃げてる動画のほうが多いですが、力尽きてその辺で死んでますけどね。


なんでも狩猟用の空気銃というものもあるようで、種類によるようですが一般的なもので13J弱、プリチャージ式と呼ばれるものだと90J弱程度は威力があるようです。13Jって以外に低いような気がしますが、ピストルクロスボウ程度でしょうか?
プリチャージ式で90Jといえばワイルドキャットで150ポンドの320FPS、30gの矢を使用したと仮定しても、理論値140J弱ですからなかなかの威力といったところ。

ただプリチャージ式の空気銃以外だと13J程度ですので、考え方を変えれば狩猟用の空気銃ってその程度の威力しかないんですよね。いや、実銃がジュール換算で2000Jオーバーみたいなのでそれに比べればという話ですが、
コンパウンドタイプでも使用する矢の重量次第では280FPSを越えれば100J越えですので、威力は十分。ライフルスコープを装備すれば精度も十分すぎるほどです。
弓矢が精度や威力に劣り半矢になるから現在日本では狩猟に使用することが認められていないというのはコンパウンドクロスボウやコンパウンドボウの、登場する前の感覚だと思われます。
唯一の難点は矢の発射速度が遅い点、有効射程距離が銃器に比べ低い事くらいでしょうか。ただ限りなく静止している目標を狙うもしくはカモフラージュしたテントに身を隠すなどして鹿等の標的が現れるまで身を隠すといったことをすれば、それもたいした問題ではないと思われます。

威力100Jに満たない狩猟用の空気銃は合法。コンパウンドクロスボウはそれ以上に威力があっても違法ですが、なんだか釈然としません。そもそも狩猟用の空気銃の威力で一撃で絶命させるのは無理だろう・・・思いっきり半矢じゃないの?と素朴な疑問が湧きますがまあ、半矢しないように獲物を選べということなんでしょうけどね。

話は変わりますが、基本的に弓矢での狩猟が禁止されている理由の第一に挙げられているのが、半矢の問題があるからだと思われますが、海外ではBowfishingというジャンルが確立しております。

Bowfishing.png



これはクロスボウを使ったBowfishingでのワニ狩りの動画です。

これはイメージ図ですが、クロスボウにルアーを装着しており、後は発射する際に、矢にルアーから伸びたラインをセットします。
これにより発射した矢が獲物に当たった場合、後はラインが切れない限り、ルアーを巻いてラインを手繰り寄せれば確実に獲物を回収することが出来るため、半矢の問題を限りなくなくすことが出来ます。

この機構はコンパウンドボウにも同様のものが市販されており、アメリカ等では広く使用されているようです。
コンパウンドクロスボウやコンパウンドボウにルアーをセットした、このBowfishingを弓での狩猟の際に義務付ければ射撃する獲物の種類によりますが、半矢にしてしまった獲物を逃がしてしまう問題はある程度解決できそうです。

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また、基本的にコンパウンドボウもしくはコンパウンドクロスボウにおける狩猟ではブロードヘッドと呼ばれる鏃に先端を換装して使用することが前提となります。これは従来の鏃と異なり貫通能力自体は低下しますが、その分当たった対象、筋肉や内臓をずたずたに引き裂く恐ろしいものです。仮に後ろ足、太もも辺りに当てることができれば、筋肉を引き裂き、迅速に逃げることすら困難となります。大抵の場合この一撃を加えれば一時的に逃げることは出来てもその辺で絶命するのが落ちです。

ただ、ヒグマ等の大型の標的を狙わないかぎり少なくとも鹿程度であれば320FPSから余裕を持って350FPS程度の威力のコンパウンドクロスボウにブロードヘッドを装着した鏃に換装しておけば確実にダメージを与えることができるため、半矢の問題があるからクロスボウでの狩猟を禁止するということは残念ながら時代に即していないとしか思えません。
現在の法律が弓の進化にあわせて整備されていないだけの話だと思われます。
昔ながらの和弓を用いて狩りをするのであれば半矢の問題があるから弓での狩猟を禁止することに合理的な理由があるとは思いますけどね。

文句があるなら狩猟免許とって実銃撃ってろや!!!なんて声が聞こえてきそうですが、たしかに、弓矢での狩猟が合法になる法改正待つよりも狩猟免許取って猟銃で狩猟したほうが、この国では早いかもしれません。
TPPの話ってどうなるんでしょうかね?あれって関税の問題ばかり取り上げられますが民法をアメリカ準拠にするって話もセットらしいんですが・・・クロスボウ関係ないだろ?って思われるかもしれませんが、民法が改正されるという事は、銃刀法や鳥獣保護法に絡んでくるので、TPPの成り行き次第では、日本でも合法的に実銃やクロスボウを所持して狩猟ができる可能性が出てくるので。
登録販売という形をとると思われますが、個人的にその辺りに期待しています。
ただ健康保険とかアメリカ準拠になると、貧乏人は歯が痛くても歯医者にすらいけなくなりますので一長一短というしかないです。

狩猟免許取得は以前から考えていて情報を漁っているのですが、維持費とか免許取得までの手間とか費用とか、色々と面倒そうなので、躊躇しています。実銃自体はネットで見る限りやすいんですけどね。中古だと猟銃が10万切ってたりしますから。

そもそも狩った獲物捌けるのかなと思って何気なく覗いたサイト、以下にリンクを張っておきますがこれみて思いました。
管理人には動物は捌けないわ・・・・面白いサイトですがリアルすぎるわ・・・少々グロ要素をこの記事は含みますので、耐性のある方はどうぞ。

ブラッドソーセージ

狩猟免許保持者、人口で調べると現在全国で20万程度しかいないんだそうです。全国でですよ?
年齢ごとの数の比率を見るといかに深刻な状況か推測できると思います。この中には罠猟だけとか空気銃だけといったかたも含まれているため、猟銃もしくはライフルの、保持者はさらに減るものと推測されますが、地方での農作物の被害額は100億をゆうに超えるんだとか。鹿はかわいい顔して繁殖力がすごいので、増えすぎてしまい、これといった天敵も狼が全滅してからというもの、
いないようなので、猟師の方の高齢化、絶対的な数の減少が一番大きいようです。環境省的には猟師の方を増やしたいようですが、警視庁はまあ治安的な意味で、実銃保持者を減らしたいようですのでこの傾向は更に今後拍車がかかると思います。
若者もスポーツハンティングには興味がないようですし、管理人もそうですが、スーパーにいけば肉がグラム幾らで買えるわけで、
山で生きた動物を狩って肉にするという発想はありません。良くも悪くもこの国は食べるものに困らない豊かな国という事でしょうか。

これまでの流れでご理解いただけたと思いますが、ブロードヘッドを装着すれば少なくとも鹿を討ち取るのに実銃でなければ威力が足りないということはまるでありません。400FPSクラスであればヒグマの分厚い皮下脂肪を貫き確実なダメージを与えることすら可能です。
この現実の前ではクロスボウやコンパウンドボウといった現在のテクノロジーで進化した弓での狩猟は十分に可能であるという結論に至ります。

狩猟免許保持者も人口比率的に20年で激減するわけですので、コンパウンドクロスボウとは言いませんが、コンパウンドボウを含めた弓での狩猟解禁の流れになれば、結果的に害獣駆除もでき、弓でのスポーツハンティングを楽しめる。
WinWinの関係になるとは思うんですけどね。
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