Napoleon Total War ワーテルローの戦い

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さて、Total WarシリーズというPCゲームをご存知でしょうか?
The Creative Assembly開発したたRTS(リアルタイムストラテジー)です。
このシリーズは古代ローマ、中世ヨーロッパ等のシリーズがあるのですが、
Napoleon Total Warはフランス革命後のナポレオン戦争に焦点を絞った作品となっており、
アウステルリッツ、ボロジノ、リニー、そしてワーテルローといった有名な戦場を疑似体験することができます。
実際にゲームでは例えば歩兵120ユニット(1ユニットは100人)が最大2000ユニットまで展開する事ができ、
敵味方あわせると最大で4000ユニット(40万)という規模で戦闘が行われ、ちまちまとしたユニットが、
戦場を闊歩して戦闘を行います。
このゲームは非常に多数のユニットが限られたマップの範囲ではありますが縦横無尽に展開するのですが、
軽快に動作しグラフィックも2009年の作品としては十分申し分ないものとなっています。
なによりマスケット銃と砲兵、騎兵のユニットを実際に操作して戦場を縦横無尽に行動することができ、
ゲームはリアルタイムで進行しますので、敵のAIもすぐれており、いきつく暇もないほどの忙しさです。
この手のゲームはキーボードとマウスを操作デバイスとしたPCゲームならではの領域、
家庭用ゲームのコントローラーでは真似できないかな?

さて、このゲームで実際にワーテルローの戦いを疑似体験してみて、
ワーテルローの戦いを考察してみたいと思います。


ワーテルローの戦いは、1815年6月18日にイギリス・オランダ連合軍およびプロイセン軍が、フランス皇帝ナポレオン1世率いるフランス軍を破った戦いである。
ナポレオン最後の戦いとして知られる。
1815年にエルバ島から帰還し皇帝の座に返り咲いたナポレオンは、第七次対仏大同盟の態勢が整う前にこれを撃破することを企図。
フランス国境北東部付近に位置していた初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリー麾下の英蘭連合軍とゲプハルト・レベレヒト・フォン・ブリュッヘル元帥のプロイセン軍を打倒すべく、自ら12万の兵力を率いて出陣した。
両勢力は1815年6月16日から3日間に渡り交戦し、ナポレオンは前哨戦となるリニーの戦いでブリュッヘルのプロイセン軍に勝利したものの、6月18日の戦いで大敗し潰走を余儀なくされる。
ワーテルローでの戦力はフランス軍72000に対しイギリス、オランダ連合軍が68000、救援に駆けつけたプロイセン軍が50000といったところ。

戦場



ワーテルローは要害堅固な場所だった。
ここはブリュッセルに至る主要街道に対して垂直に切り立ち、かつ横切られている長い尾根が東西に走っていた。
尾根の頂きに沿って深い窪んだ小道 (英語版) のオヘイン(英語版)道が通っている。
ブリュッセル街道との交差路には大きな楡の木があり、ここはウェリントンの布陣のほぼ中央に位置しており、
会戦中のほとんどの時間、彼はこの場所を本営とした。
ウェリントンはオヘイン道に沿った尾根の頂の背後に歩兵を一線状に布陣させた。
彼が過去の戦闘でしばしば行ったように、今回も反対斜面(英語版)を活用して、
敵軍から(散兵や砲兵を除く)自軍の兵力を隠した。戦場の長さは比較的狭い4kmだった。
これによって彼はブレーヌ・ラルー(英語版)村までの範囲に布陣させた(プロイセン軍がこの日のうちに来援することになっている左翼を除く)中央および右翼の部隊に縦深を持たせることができた。

ワーテルロー

尾根の前面には陣地化が可能な三つの場所があった。
右端にはウーグモン(英語版)の館と庭園そして果樹園があった。
ここは広くしっかりした造りの邸宅であり、当初は木々で隠されていた。
家の北側には窪んで隠された小道があり(イギリスでは「窪み道」(the hollow-way)と呼ばれている)、
これを使って補給ができた。左端にはパプロンの小集落があった。
ウーグモンとパプロンは陣地化されて守備兵が配置され、英蘭軍の側面を確保していた。
パプロンはまた英蘭軍を救援に来るプロイセン軍が通るワーヴルへの道を見おろしていた。
残りの英蘭軍の布陣の前面にあたる主要街道の西側にはラ・エー・サント(英語版)の農場と果樹園があり、
国王直属ドイツ人部隊(英語版)(KGL)の軽歩兵400人が守備に置かれた。道路の反対側には閉鎖された採石場があり、
ここには第95小銃連隊(英語版)が狙撃兵として配置された。
これらの場所は攻撃側にとって厄介な障害となった。
ウェリントンの右側面を攻撃すれば陣地化されたウーグモンからの攻撃を引き起こし、
中央右側を進撃すればウーグモンとラ・エー・サントからの縦射 (英語版) に曝されることになる。
中央左側からではラ・エー・サントと隣接する採石場から縦射を受けることになり、左側面を突こうにも地面はぬかるんでおり、パプロン集落の通りや生け垣に配置された兵からの銃撃を受けることになる、
フランス軍は南方の別の尾根の斜面に布陣した。
ナポレオンは英蘭軍の布陣を見ることができず、
ブリュッセル街道に対するかたちで布陣を行った。右翼はデルロン(英語版)の率いる第1軍団で歩兵13,000、騎兵1,300、予備騎兵4,700からなっていた。左翼はレイユ(英語版)の第2軍団で兵力は歩兵13,000、騎兵1,300、予備騎兵4,600であった。街道の南側、宿場ラ・ベル・アリアンス(英語版)の周辺にはロバウの第6軍団(兵6,000)、皇帝近衛隊(英語版)(歩兵13,000)そして予備騎兵2,000が置かれた[52]。フランス軍の右翼後方にはプランスノワ(英語版)の集落があり、右端には「パリの森」(Bois de Paris)があった。当初、ナポレオンは戦場を見渡すことができるロッサム農場に本営を置いていたが、午後になってラ・ベル・アリアンスに移っている。(ナポレオンのいる場所からは見渡せなくなったために)戦場での統率はネイ元帥に委ねられることになった。

ゲームでもイギリス、オランダ連合軍は尾根の頂の背後に歩兵を一線状に布陣しており、
進入経路は非常に限定されます。
さらにウーグモン、ラ・エーサント、パブロットの館と邸宅も忠実に再現されています。
つまり3つの館を放置したまま前進しようとすれば尾根の背後に布陣した部隊と館の部隊からの、
挟撃を受ける形となるため、フランス軍としては前進するに当たり、これをすみやかに排除する必要があります。

このゲームでの面白いところはナポレオン率いるフランス軍側でもプレイする事ができますし、
ウェリントン率いるイギリス軍側でもプレイする事ができます。
管理人は今のところ、フランス軍でプレイしてワーテルローの戦いを制したことがありません。
それくらい地の利はイギリス側にきわめて有利であり、3つの館を強引に攻めても、
いたずらに兵力を消耗してしまう、どれか一つの館に戦力を集中しても同じ事。
かといって放置すれば側面から狙い撃ちにされることから、
非常にやりづらく、また時間をかけじっくりプレイしようとするとブリュッヒャー率いるプロイセン軍が来援して、
かろうじて保っていた戦力の均衡が破れ一気に押し込まれてしまいます。
史実でも尾根の頂の背後に布陣したイギリス・オランダ連合軍に砲兵による直接攻撃は、
前日の雨により抜かるんだ地面とあいまり地面に当たった砲弾も兆弾せずに、
有効に作用しません。
また史実ではネイ元帥による騎兵による突撃を敢行しますが、
方陣隊形を組んだ歩兵部隊を切り崩す事はできませんでした。
方陣を切り崩すには砲兵による援護が欠かせませんが、砲兵との連携がうまく機能しなかった模様。
ゲームではどうでしょうか?
たしかに方陣隊形は騎兵の突撃には大変強力で威力を発揮しますが、
敵AIは横隊から方陣の変形を行うことはないので・・・
その点は楽に進行することができます。
ただし、イギリス側でプレイした場合、フランス軍の騎兵は非常に強力です。
こちらは戦場の隅々まで目を行き届かせなければいけませんが、
左翼に展開してきたフランス軍を迎撃していると、いつのまにか中央の砲兵隊に騎兵による突撃を仕掛けられ、
瓦解してしまうといったことはよくあることです。
かといって常に方陣を組むといった事は難しい。
攻撃力に劣るので、そのままだとマスケット銃の歩兵部隊の良い的です。
そのため臨機応変に横隊から方陣へと敵騎兵の攻撃の動向を常に警戒しつつ、
騎兵の突撃を察知した場合、すみやかに方陣に変形するといった事がベターです。

いずれにしてもウェリントン率いるイギリス側でプレイする分には、
来援するブリュッヒャー率いるプロイセン軍の到着まで、陣地を頑なに守ることができればよいのですから。
といってもフランス軍は非常に強力です。
敵1部隊に対し、こちらは最低でも2部隊をあて、正面と側面から最低限狙い撃ちにするといったことが、
求められます。
2部隊による歩兵の横隊による一斉射撃で敵をけん制している中で騎兵による突撃を敢行するというのも、
非常に効果的です。

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また砲兵のぶどう弾の射程距離までぎりぎりひきつけて、一掃するといった事も有効です。
後はネイ元帥率いる騎兵の一斉攻撃をなんとか方陣を敷いてかわすことができれば・・・
ナポレオンは最後の戦力として親衛隊を投入してきます。
これは、本当に強力な部隊であり、まともにやっているとこちらの部隊が消耗するだけです。
やはり、砲兵のぶどう弾の有効射程ぎりぎりの地点の付近に1部隊を展開させ、親衛隊と対峙します。
さらにもう1部隊余裕があれば側面より横隊を展開し一斉射撃を展開します。
後はぶどう弾による射撃を繰り返し、親衛隊の士気を低下させ逃走させれば勝利はこちらのものです。
ナポレオンが親衛隊を投入する頃にはプロイセン軍に対する備え以外は予備兵力はすべて枯渇している状態。
あとは、フランス軍とプロイセン軍が激突したタイミングを見計らい、
残存した騎兵部隊をフランス砲兵部隊に突撃させます。
まあ、イギリス側でやる限り勝利は不動なんですが・・・
フランス側でプレイしてワーテルローを落とせる気がしないなあ。
それくらい、守備側としては楽であり、攻撃側からすると難攻不落の要害です。



まあ、ナポレオンの敗因の一つはリニーの戦いでプロイセン軍に勝利し、
グルーシー元帥に追撃を命じたものの、結果的にプロイセン軍に追撃をするどころか、
結果的にプロイセン軍を捕捉することもできずワーテルローへの道を開いてしまった事。
グルーシー元帥の率いる33000の兵力を、
呼び戻す事ができず、ワーテルローの会戦に集結させる事ができなかった事。
これにつきるかな。
この33000の兵力を持って、プロイセン軍の押さえにまわすことができれば72000の全軍を持って、
イギリス、オランダ両軍に対しもっと機能的に戦う事ができた事はいうまでもありません。
ただ、全体的にナポレオンにアウステルリッツのような切れがないのは否めないですね。
親衛隊の投入にしても最後の最後まで決断する事ができなかった点。
これは運よくワーテルローで勝利を収める事ができたとしても、迫り来るプロイセン、オーストリア、ロシアの、
大軍を各個撃破することは難しいかもなあ。
まさにヨーロッパ全土、いえ世界の命運をかけたこの一戦。
まさにドラマですね。
ワーテルローの戦いのwikiは非常によくできており、なかなか参考になるというか、
読んでいておもしろいですね。お時間のある方はどうぞ。

いずれにしてもこのゲーム、よくできています。
天候の概念はさすがにないですし、道のぬかるみの程度をしめす概念もありませんけど、
それを抜きにすれば非常によくできた内容です。
歴史好きにはたまらない隠れたRTSの名ゲーといった感じです。
このゲームを通じてこの歴史的な会戦を振り返るというのもまたおもしろいものです。
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