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in メンタルヘルス

京都アニメーション放火事件に思うこと②

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京都アニメーション放火事件に思うこと①の続きです。

前回の記事では管理人が不眠から睡眠薬の類に頼るようになったことからベンゾ系睡眠薬の依存症となりその副作用等で極度に体調が悪化し精神病院に入院したことがあるとお話しましたが、今回は精神病院で管理人が体験したことについてまずは触れようと思います。

京アニ放火事件を起こした青葉容疑者は精神疾患を持っていたと報道されており今回の事件の数年前には強盗事件を起こし刑務所に服役していますが、今回記事にする内容というのは青葉容疑者の行った犯行が精神疾患による所為により起こったことなのかを知ることの一助になると思います。



最初に、精神病院に入院する前に管理人が精神障害者の方に対して持っていたイメージとしてはどのような病気であっても処方された薬を適切に服用さえしていれば症状を抑えることができるというものでした。

ですが精神病院に入院した初日に症状の重い方のいる閉鎖病棟で管理人が見たものはそれらのイメージを根底から覆すものでした。看護士に付き添われ閉鎖病棟に入室するドアを開けに足を踏み入れた瞬間、患者の多くが大声で喚き散らしそれを静止しようとする看護士との間で罵詈雑言が部屋中で飛び交っておりいつ殴り合いに発展するのかわからない非常に緊迫した状態でした。

これは誇張でもなんでもなく入院を経験してから記事を書いている時点で7年ほど経過していますが、あまりの出来事に今でもその時の光景が脳裏に鮮明に焼き付いています。入院した精神病院の閉鎖病棟は男女が別々の空間で過ごしていましたが、入院患者の数に対して明らかに病棟全体のスペースが狭いというのが率直な感想でした。

これは症状の軽い方が過ごす開放病棟に移ってから仲良くなった患者の方から聞いたことですがなんでも男女の患者同士で不適切な行為が発生したため男女で居住スペースを分けるようになったのだとか。これだけ書けば後はお察しいただけると思います。

入院した精神病院での一日の流れを簡単に説明すると6時起床、7時朝食、12時昼食、18時夕食、20時寝る前の投薬、21時就寝といった感じです。食後には処方された薬を服用するために患者の皆さんが一列に並び順番に看護士から薬を受け取り看護士の目の前で薬を飲み、飲み終えたことを証明するために口を開けてチェックを受けるというプロセスが発生しますが、このときに驚いたのは皆さんが服用する薬の種類と量の多さです。

管理人が服用するのが1錠か2錠というレベルですが皆さんは手のひらいっぱいに薬を受け取りそれを服用しています。逆にそれだけの量の薬を飲まなければ症状を抑えることが出来ないということを意味していますが、閉鎖病棟の患者の方の大半はそれだけの薬を服用しているにも関わらず症状を抑えることが出来ていません。

閉鎖病棟では患者同士の喧嘩、患者と看護士との間の言い争いなどが日常茶飯事で生きた心地がしませんでした。例えば友人や知人などと雑談に興じているときに普通の方であれば相手の何気ない一言で苛つくことはあっても条件反射的に大声で罵詈雑言をぶつけたり、殴りつけたりはしないと思います。

それは、それらの衝動に駆られたとしても自身を自制することができるからですが、相手の言うことにムカつくたびに相手を大声で罵ったり殴っているようでは社会生活が成り立ちません。ですが閉鎖病棟の患者の方々に共通して言えるのは自身の衝動を上手くコントロールできていない方が目立つ印象は強く受けました。

喫煙室で同室した方とどうして入院したんですか?どのような病気ですか?といったテンプレのような会話を交えつつ雑談に興じて知ったのは閉鎖病棟に居られる患者の方の大半が統合失調症というものですが、管理人が驚いたのは閉鎖、開放含め長期間入院されているケースが非常に目立つというものでしたが、長い方は10年、更に長い方は25年という方もいらっしゃいましたが少なくとも数年入院されている方がほとんどだったと記憶しています。

統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。(厚生労働省のサイトより抜粋)

症状の軽い方が入院されている開放病棟では統合失調症の方の占める割合は半数程度だったと記憶していますが服用する薬の量は正直大差ないと感じました。ただ閉鎖病棟の患者のように攻撃的な方はおらず非常に穏やかで雑談に興じることもできるため
時折り患者間で軽いトラブルは生じるものの薬によって症状をコントロールすることは概ね出来ていると感じました。同じ統合失調症という病気であっても同様に薬を服用したとしてもその症状には大きな差がある点は語弊があったら申し訳有りませんが興味深いです。

この統合失調症の特徴である幻覚や幻聴、妄想ですが、もっとも厄介だと感じる点は自身の感覚や思考、行動が病気の所為であるのか否かを客観的に判断することができなくなってしまうという点だと思いますが、24時間365日絶え間なく幻覚や幻聴に晒されているとしたら自身の思考を客観視できなくなるのは無理もないと思います。


話は変わりますが、これは精神病院で体験したことでは有りませんが印象に残る出来事があったので書いておきたいと思います。ニコ生やツイキャスといった配信サービスを利用して様々な配信者の方とコミュニケーションを楽しむことが出来ますが、同様に精神疾患を抱えた方とお話をすることもできるため一時期よくお邪魔していた配信者の方がいました。

その方は女性で統合失調症の方でしたが、普段は非常に温和で話し方も穏やかで会話も面白いためちょくちょくお邪魔していましたが、昔のエピソードとして裸で街中を走り回って警察に保護されてその後で措置入院をしたことがあるなどと穏やかに笑いながらお話されていた事を覚えています。

普段は非常に穏やかな方でしたがある日お邪魔したときは普段とうって変わって攻撃でした。話を聞くと当時通院していた医師に幻覚や幻聴の症状が出るようになったことを伝えたところ普段より薬の量を増やされたそうですが、指示通りに薬を飲んだところ返って症状が悪化してイライラが止まらず医師に対する不平不満を並べていましたが、リスナーからアドバイスを受けた際等では普段ならニコニコと穏やかに返すところですが、その日はリスナーに対しても攻撃的で大声で罵詈雑言を浴びせるなど収集がつかない状態でした。

健康な方でも季節の変わり目などで体調を崩すこともありますが、統合失調症の方も症状には軽重あり、症状の軽い方は薬により基本的には症状をコントロールすることが可能なようですが、症状を完全にコントロールし続けることは難しい印象を受けます。

前回の記事で統計の数値に現れない部分があると書きましたが正にこの点です。普段あれだけ穏やかな方が薬のさじ加減が変わっただけで、攻撃的になったりと症状が豹変してしまいます。恐らくは裸で走り回って警察に保護されたというのはそのような時期であったと推測されますが、統合失調症というのは症状にも個人差が大きいですが薬で完全にコントロールすることは症状の軽い方でも難しい印象を強く受けました。

また前述したように精神病院で長期入院を余儀なくされた方のお話を伺ってみると共通しているのは親子間における信頼関係が完全に損なわれている点です。閉鎖病棟で入院をされているAさんのケースだと親と喧嘩になった際に包丁を突きつけて「殺すぞ」と脅しをかけてしまったことが度々あったそうです。その方の両親は怖くなってしまいAさんの病院からの一時退院等で身元の引受を拒否れているそうですが、他に頼れる親戚の類もなく入院生活を余儀なくされているそうですがその話をされた際のAさんの悲しい表情が印象に残っています。

開放病棟で入院されているBくんのケースも両親に度々暴行することがあったため特に母親が怯えきってしまい同じように身元の引受を拒否されているそうですが、Bくんは自宅に戻ることは半ば諦めており将来的には生活保護を受けて引き受けてくれる施設を探すと仰っていました。

親子間の信頼関係が損なわれている場合には主に2つのケースが考えられますが、Aさんの場合には比較的早い段階で統合失調症と診断され投薬治療を受けていたものの病気の症状を上手くコントロールすることが出来なかったというもの。Bくんの場合は統合失調症と診断されるまでに時間がかかってしまった場合です。

Aさんの場合には病気の早期発見はできたものの、病気の症状はかなり重い部類であり投薬治療だけでは病気の症状をコントロールすることは難しく、度々両親に対して暴力行為を働いてしまったことにより親子間の信頼関係が完全に損なわれてしまいました。

Bくんは病気の症状は比較的軽い部類だと思われますし薬によって症状が安定しているため自宅で過ごすことは十分にできると医師から退院の許可はおりているものの統合失調症と分かるまでに時間がかかってしまいました。診断が下りる前にBくんから度々暴力を振るわれていたことにより親子間の信頼関係は完全に損なわれてしまい自宅で一緒に住むことを両親は拒絶しています。

統合失調症の場合、病気の早期発見が出来ないとBくんのようなケースに陥りやすいですし早期発見ができたとしても投薬治療で症状をコントロールすることが出来ないほど症状が重い場合にはAさんのようなケースに陥りやすいように感じます。

健常者、障害者どちらの場合でも傷害や殺人などの事件に発展する場合にその矛先が誰に向かうかというと全体に占める割合で最も高いのは見ず知らずの人間ではなく親兄弟、友人、知人といった顔見知りだそうです。障害者の場合には日常生活を自身で行うことが出来ないケースが目立つため必然的に自宅で家族が行うことになりますが、父親が日中働きに出ているため必然的に日中面倒を見ている母親などが暴力の対象となりやすいそうです。

同じ統合失調症の方でも自宅に両親らと同居している場合において同じような暴力行為があったとしても、女性の場合は力も弱いため家族は許容できるレベルなのかもしれませんが、男性はなまじ力が強いため家族も許容できる範囲を超えているのだと思います。そのような暴力行為が度々起こった場合、両親が自宅で一緒に住むことを拒絶されたとしてもそれを避難することは酷というしか無いです。

当たり前の話ですが病気や障害を持って生まれたいと思う方は何処にもおらず誰でも健康に生まれたかったと思いますが、たまたま精神的になんらかの疾患をもって生まれてしまったというだけで精神病院で長期間過ごすことを余儀なくされている方が少なからず存在するという現状は痛ましいです。



話を京アニ放火事件を起こした青葉容疑者に戻したいと思いますが、彼は京アニに対して作品を盗作されたから今回の凶行に及んだことを仄めかしている点や精神科などへの通院歴がある点は重視する必要がありますが現時点ではどのような理由で通院していたのか病名もはっきりしたことは分かっていないため推測するしか有りません。

ただ管理人は今回の放火事件を起こした青葉容疑者に関して言えば精神疾患が関係しているとは一概に言い切れないと感じています。理由としては事件を起こす数年前に強盗事件を起こしていますが、そのときは責任能力が認められ刑務所に服役しています。

知的や精神に疾患を抱えた方の犯罪で特徴的なのは短絡的かつ衝動的な犯行が目立つというものですが、一例を上げれば無銭飲食でしょうか。お腹が減ったけどお財布にはお金がありません、でも食事はしたいのでお店に入って食事を注文したところ無銭飲食で警察に通報されてしまうといったケースでしょうか。

普通の人であれば財布にお金がなければ空腹を我慢し食事がしたいという欲求や衝動を抑えることが出来ますが(餓死する一歩手前など生命に危険を感じているレベルでは異なると思いますが)自身の欲求を理性で抑えることが出来ない点が異なるのだと思います。

刑務所の中は障害者だらけだった 獄窓記

刑務所で服役している人間のうち知的や精神に疾患を抱えた人間の比率が高いことは山本譲司の獄窓記で世の中に広く知られることになりましたがこの本に書かれている内容で注目したいのは障害者の方が何かしらの事件を起こし警察に逮捕、勾留された後に裁判で争う際に容疑者の責任能力が裁判の争点の一つとなるわけですが無銭飲食といった軽微な行為の場合には重犯罪と異なり、厳密な精神鑑定というものは行われるわけではないようです。(少なくとも獄窓記が書かれた時期には)

よって裁判の場で自身を弁護することはおろか弁護士や検察官の問いかけに対しても要領を得ないやりとりしかできない知的障害者などは親が死別した後、身寄りがなく親の死別前に施設に入ることが出来なかった場合には少なくない人間が空腹に耐えかねて万引や無銭飲食に手を染め刑務所に入ることになる傾向があるようです。

知的や精神に障害を抱えた方の犯罪の中でもっとも重い犯罪行為は放火や殺人ですが、これらは周到に計画を練り準備を重ねた上で犯罪に及ぶということではなく短絡的、衝動的に事件を起こすことが大半なようです。例えば友人と雑談をしていて相手の何気ない一言でカッとなって傍にあった包丁で刺殺してしまうといったように自身の衝動を抑えることが出来ずに犯行に及ぶケースでしょうか。

精神障害者が放火や殺人といったより重い犯罪行為を行った場合は責任能力の有無を判断する材料として精神鑑定が行われるわけですが、放火事件を起こす数年前に青葉容疑者が行った犯行は強盗です。強盗罪は、5年以上の有期懲役となることから無銭飲食とは訳が違います。

当然精神鑑定もなされたと思われますが裁判の結果有罪判決を受け刑務所に服役しています。少なくとも強盗事件を起こした際には責任能力があり精神疾患の影響による心神喪失状態とはみなされなかったことがわかります。


青葉容疑者が今回の京アニ放火事件を起こした際には埼玉の自宅から遠く離れた京都に出向き、事前に包丁やガソリンを入れた携行缶、それらを運ぶ台車の類を用意している点からも周到に準備を重ねた上で犯行に及んでいます。また犯行に及んだ際にはバケツに入れたガソリンを第1スタジオの玄関付近や従業員にかけた後、多目的ライター(チャッカマンの類?)で火をつけたと聞いていますが大量のガソリンに直接ライターの火を近づければ自分も大火傷をする危険性があることをまるで考えていません。

また普通なら自分が火傷をしないよう安全マージンを考慮して火をつけたジッポライターの類を離れた距離から投げつけたり、火傷の危険を減らすため難燃性の素材の服を全身に着用するといった点を最低限考えそうなものですが、当時の服装はTシャツにジーパンというもので結果的に自身も重度の火傷を全身に負っています。当初は犯行後自身も死ぬ覚悟で事に望んだのかと思いきや第1スタジオを放火した後に現場から逃走を図っています。

これらのことから後先を考えない場当たり的な手口でもあり、緻密な犯行とは言い難いですが、少なくとも一般的な知的や精神疾患を持った人間の衝動的かつ短絡的な犯行の手口とは大きく異なっているのは明らかです。

気になるのが青葉容疑者が京アニに対して自身の作品を盗作されたことから犯行に及んだと仄めかしている点です。妄想の症状は統合失調症の特徴的な症状であり、彼自身精神科などへの通院歴があるもののそれが統合失調症かもしれませんし単に不眠の症状が酷いので睡眠薬の類を処方してもらっていただけかもしれません。彼の病名が現時点でわからないためなんとも言えませんが仮に病名が統合失調症だと仮定します。

彼が強盗事件を起こした際には統合失調症の症状は軽く薬でコントロールできていたが、放火事件を起こした際には薬でコントロールすることは出来ないレベルまで症状が悪化して京アニに対して逆恨みとしかいいようのない殺意を醸成させていたと推測することも出来ますが、いずれにせよ現時点では情報が出揃っていないためなんとも言いようがありません。

また人間の人格形成において重要なことは幼少期における家庭や学校などにおける人間関係といった環境が最も重要な要素となり形成されていくと感じますが、強盗事件を起こしたときには責任能力が認められていることから、個人的には精神疾患の所為で起こった事件というよりは彼自身の人間性に根本的な問題が有り、身勝手な逆恨みから今回の犯行に及んだ可能性が高いと感じます。



19/07/31追記

事件に関する続報が入ったので追記します。

京都アニメーションの代理人弁護士によると青葉容疑者は実名で京アニに対して小説を投稿していたようですが一次審査の結果落選していたようです。また警察が確認したところ作品を投稿した際の名前と住所が青葉容疑者と一致していたそうです。

京アニの代理人弁護士は京アニの過去作と青葉容疑者が投稿した小説との類似点はないと確信していると盗作については否定しているもののそれが事実なのかどうかは現時点で不透明です。仮に京アニが青葉容疑者が投稿した小説を落選した上で、一部ないし丸々何らかの作品に対して使用していたのであれば青葉容疑者が犯行を起こした動機である自身の作品を盗作されたから行ったということを裏付けることになります。よって精神疾患の所為によりおこった犯行という線はほぼなくなったと考えて差し支えないと思われます。

もちろん仮に京アニが青葉容疑者の投稿した作品を盗作していたことが事実であるにせよ、あれだけの事件を起こして良い理由にはまったくなりませんが。


長くなったので記事を区切りたいと思いますが次回に続きます。


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